
自然が作り出した芸術作品とも言えるアンテロープキャニオン。
アメリカにお住まいの方なら絶対、日本からグランドサークル旅行へ来た方にもぜひ行ってほしいと思える場所。
ですが、思ったよりもアンテロープキャニオンの情報が少ないのが現実。特に子連れ。
今回のブログ記事では、家族でアンテロープキャニオンに行ってきた様子を旅行記にまとめました。
- アッパーとロウアーどっちがオススメ?
- 予約方法は?
- 何か注意点はある?
- 子連れでも大丈夫? など
アンテロープキャニオン観光を計画している方の参考になれば幸いです。
アンテロープキャニオンの基本情報

アンテロープキャニオンは、アメリカのアリゾナ州・ページにある渓谷です。
長い年月をかけ水と風で侵食され作り出された異次元の模様。
パソコンのスクリーンセーバーなど、誰もが一度は目にしたことがあるであろう、あの波の地層です。
ナバホ族によって管理されており、ツアーガイド同伴でないと入ることができません。何だか秘境感プンプンしてくるでしょ😉
ツアーコースの種類
アンテロープキャニオンは主に3つのエリアに分かれています。
それぞれのエリアによって、観光するコースが異なります。
アッパー・アンテロープキャニオン
最も観光客に人気があるのがアッパーアンテロープキャニオンです。
アッパーアンテロープキャニオンでは「光のビーム」を見ることができます。
渓谷の隙間から入る太陽の光は、幻想そのもの。
ツアーの数は最も多いです。キャニオンの入口までは車で移動。
全体的に平坦なコースで、歩きやすいと言われています。
以前まで、アッパーキャニオンは往復ルートでしたが、ツアーコースが一方通行になり動線が変更されたようです。
それに伴い15分程度のハイキングが必要になったと公式ページに書いてありました。
ロウアー・アンテロープキャニオン
ロウアーアンテロープキャニオンは、波打ったマーブル模様がアッパーよりもキレイに見えると言われています。
あえてアッパーではなくロウアーを選ぶ写真家も多いとのこと。
運行しているツアー会社は2つのみ。

わが家はロウアーアンテロープキャニオンに行きました✨
キャニオン・エックス
観光客が増え、新たに追加されたツアー。「X」に見えるキャニオンが名前の由来。
キャニオンXツアーは「TAADIDIIN TOURS」のみが運行しています。
ツアーの予約方法
全ツアーは、以下公式サイトから予約できます。

全て英語です。また、辺鄙な場所にあるため、アクセスは車でしか行くことができません。

個人旅行はちょっと…という方はベルトラのオプショナルツアーがオススメです!
ベテランガイドさんによる少人数ツアーがメインで痒いところに手が届く絶妙なスケジュールが魅力。
私もカンクン旅行のときに利用しました。
ベルトラでは、アンテロープキャニオンに加え、グランドキャニオン国立公園、モニュメントバレーなど、グランドサークルを効率的に巡るコースが人気です。
アンテロープキャニオンのベストシーズン
アンテロープキャニオンのベストシーズンは一般的に4~10月と言われています。
太陽の光が真上から差し込む夏(特に正午付近)が最もアンテロープキャニオンがキレイに見えます。
その反面、気温が40℃くらいになる日も多く、モンスーンの影響で鉄砲水が起きる可能性も高いようです。
そのため、この時期を避けた5月~6月、9月後半~10月が適しているとの見解が多いです。
わが家は9月末に行きました。
外の気温は暑かったものの、キャニオンの中は日陰なので問題なかったです。鉄砲水も大丈夫でした。
ロウアーツアーを選んでよかった理由
正直、アッパーとロウアーどっちにするか非常に悩みました。
最終的にロウアーアンテロープキャニオンにしましたが、子連れのわが家としては良い選択でした。
理由はこちら。
予約が取りやすい

ロウアーよりもアッパーの方がツアー数や種類が多いです。
ただし「光のビーム」を見るためには、夏場のお昼前後の時間帯が必須なんですね。
私が予約しようとしたときには、既にお昼前後の時間帯はいっぱい。
朝一や夕方の時間帯は空いていたけど、光のビームが見られなければ、あんまり意味がないじゃないですか。
光のビームが見られる時間帯は、半年以上前に抑えないといけない雰囲気でした。
一方、ロウアーはどの時間帯でも大差がないため、予約は取りやすかったです。
わが家は「Ken’s Tour」で予約しました。
アッパーよりも料金が安い
家族旅行だと人数が増える分、ツアー単価は安い方がいいですよね。
ロウアーツアーは大人が55ドル、子供(4~12歳)が35ドル程度。0~3歳は無料です。
アッパーツアーは大人が90ドル程度です。
赤ちゃん・子供の料金はツアーによって異なります。
例えば、Antelope Canyon Tours, Inc.では、0歳児でも75ドルかかります。(赤ちゃん・幼児が参加NGのツアーもあります。)
子供の料金設定が良心的なロウアーの方が遥かに安く抑えられます。
駐車場からの距離が近い
ロウアーツアーは受付後、徒歩でキャニオンの入口まで行きます。(片道5分ほど)
一方アッパーはJEEPに乗ってキャニオンの入口まで行きます。(片道20分ほど)
6歳以下の子供が参加できるツアーでも、JEEP用のチャイルドシートは用意されていません。
車中はデコボコ道でトイレもない。往復40分もかかるので、徒歩の方が都合がよかったです。
冒険気分が味わえる

ロウアーの魅力は、冒険気分が味わえること。
渓谷に狭い隙間から、ハシゴに近い階段を使って下に降りていきます。

最初この場所に入ろうと思った人、すごい勇気だなと思う。
子連れには不向きという口コミも目にしましたが、当時6歳だった次男は全く問題なかったです。
むしろ30代の私の方が怖気づいていました(笑)
感覚的に4~5歳からであれば、自分で歩いて行けそうです。
赤ちゃん・幼児(0~3歳)は、親が階段の昇り降りを抱っこすれば、何とかいけそうな気もするけど、やっぱり怖いかな。
くれぐれも注意しながら参加してくださいね。

最後は、この隙間から出てきます。
本当にここの下にいたの?と思わず二度見しちゃいました。
家族写真がたくさん撮れる!ゆったりとしたツアー

ロウアーのルートは、一方通行なので、人とすれ違うことがなく動きやすいです。
私がツアーに参加したときは、ガイドさん一人に対して、わが家4人とカップル2人の合計6人だけでした。
スポットごとにしっかりと説明してくれ、写真の撮り方もレクシャー。
フィルターをVivid Warmにすると良いよとか、この角度で明るさ調整するとか、アンテロープキャニオンを最大限にキレイに撮る方法を伝授してくれます。
名前からして「ナバホ族=最新機器と無縁」だと思っていた自分が恥ずかしいです。すみません。

人の横顔(左側)やハート(右側)に見える場所もガイドさんが教えてくれます。
その他にも、地層の陰影が美しく見える絶景スポットがたくさんありました。(写真におさめたのに、後で振り返ると思い出せず…。)
家族写真もたくさん撮ってもらえて本当に良い記念になりました。
アンテロープキャニオンの注意点

アンテロープキャニオンに行く前に、いくつか知っておくと良いことがあります。
雨天による鉄砲水で中止になることがある
アンテロープキャニオンは、鉄砲水によって作られた地形です。もちろん、今でも鉄砲水が巻き起こります。
1997年には、数十マイル離れた上流で降った雨が流れ込み、ロウアーアンテロープキャニオンにて11人が犠牲になったという事故もありました。
キャニオンを歩いてみて、ここに水が流れてきたらひとたまりもないと、一種の恐怖さえ感じました。
天候に不安がある場合は、容赦なくキャンセルされます。
大切な命を守るため。潔く諦める勇気も必要です。
時差(タイムゾーン)が複雑
サマータイム時期に他州からアンテロープキャニオンに行く際には注意が必要です。
- 注意点1: アリゾナ州ではサマータイムを採用してません。
- 注意点2: ナバホネーション(ナバホ族の自治区)はサマータイムを採用しています。
- 注意点3: アンテロープキャニオンがあるページではサマータイムは採用していません。
さて、アンテロープキャニオンは何時でしょう?何か引っ掛け問題みたい。
スマホは自動的に時間調整をしてくれますが、電波が入らないことも多いんですね。
あれ?何かズレてる?!ということもあるので、本当にややこしいです。
考えると余計に混乱するので、事前にこちらのサイトで確認しておくと分かりやすいです。(Page Arizonaで調べられます。)
持ち物の制限がある
アンテロープキャニオンでは、持ち物の制限をしています。
【持っていって良いもの】
- カメラ
- スマートフォン
- 水(ペットボトル)
【持ち込みが禁止されているもの】
- 三脚
- 自撮り棒
基本的にバッグの持ち込みはできません。(透明バッグはOK、グループで一つだけOKなど、ツアーによって異なります。)
冬場は、階段の手すりが冷えるため、軍手を持っていくと良いとの口コミもありました。
わが家はスマホと水だけ。財布などの貴重品は、自己責任で車に置いておきました。
ツアーでは、所持品を落としてしまったら最後。絶対に取り出すことができない隙間がいくつかあります。
ガイドさんから、お客さんが最新型のiPhoneを落としてしまい、どうしようもできなくなったという話も聞きました。
私もサングラスを何度か落としそうになったので怖かったです。(キャニオン内では外していました。)
同じツアーにいた旅慣れた雰囲気のカップルは、サングラスストラップを持参して、さすがだなぁと感心。
▼ こんな感じのやつ。

写真スポット以外で撮影したり、危ないことをしたりすると、ガイドさんに注意されます。
わが家の次男もふざけていたら本気で怒られました。それ以降、かなり真面目にツアーに参加。
言うことを聞かないと速攻退場です。
チップは支払った方が良い
日本人にはあまり馴染みのないチップ文化。
アンテロープキャニオンの観光はツアーになるため、ガイドさんにはチップを支払った方が良いです。
料金に決まりはありませんが、わが家はツアー終了後に20ドルお渡ししました。
アンテロープキャニオン付近のホテル

アンテロープキャニオンがあるページの街には、いくつかホテルはあります。
ちょっといいところなら、Hyatt Place(ハイアット・プレイス)。
お手頃価格なら、Best Western Plus(ベスト・ウエスタン・プラス)などが人気です。
わが家は、次の日サンディエゴまで車で帰るため、少し南下してフラッグスタッフで1泊しました。
宿泊したのは、Country Inn & Suites(カントリーイン&スイート)。
泊まるだけだったので、値段だけで決めました。
朝食付きで一室150ドルくらい。
マリオットやヒルトンよりもランクは下がりますが充分。

夕食に行った「FAT OLIVE」というイタリアンがコスパがよく、とても美味しかった。
17時までのハッピーアワー内に来店したので、マルゲリータピザなどが約半額でした。
またフラッグスタッフに行く機会があれば行きたいレストラン。
アンテロープキャニオン近くの観光スポット

アンテロープキャニオンの近くには、いくつかの定番観光スポットがあります。
- ホースシューベンド(車で約15分)
- グランドキャニオン国立公園(デザートビューまで車で約2時間)
- モニュメントバレー(車で約3時間)
わが家は、3泊4日で『グランドキャニオン国立公園』→『ホースシューベンド』→『アンテロープキャニオン』というコースで周遊しました。
唯一の後悔は、モニュメントバレーに行けなかったこと。あと1泊あれば…。
その他、わが家がアメリカ駐在期間中に行った旅行(費用&モデルコース付き)はこちらの記事でまとめています。
▼ 子連れ旅行一覧 ▼

アンテロープキャニオンを子連れで楽しもう

アンテロープキャニオンは、世界遺産ではありませんが、それに匹敵する素晴らしい場所。
自然が作り出した美しい芸術作品を間近で見られる機会はあまりないので、本当に行ってよかったです。
ぜひ、あなたも家族で訪れてみてはいかがでしょうか。
※ この記事は2021年9月の旅行記を元に書いています。最新情報は必ず公式ホームページにてご確認ください。