「ボストン茶会事件とは？」
「ティーパーティーの最中に何かあったの？」
ボストン茶会事件（ボストン・ティーパーティー）は、アメリカ独立戦争の引き金にもなった重要な出来事だと言われています。
先日、ボストン茶会事件の船と博物館に行って学んできたので、分かりやすく解説していきます。
ボストン茶会事件とは簡単に説明
ボストン茶会事件（ボストン・ティー・パーティー）は、1773年12月16日にアメリカのボストンで起きた事件です。
当時イギリスの支配下にあったアメリカ。
本国イギリスの「茶法」という政策に、アメリカ側50人が猛反発。
ボストン港に停泊していたイギリスの東インド会社の船にあったお茶の箱、342個を海に沈めました。
その際に、Make Boston Harbor a teapot tonight.（今夜、ボストン港をティーポットに）という有名なフレーズが生まれました。
この事件をきっかけに、アメリカ独立戦争が勃発しました。
ボストン茶会事件が起きた背景
ボストン茶会事件は、いきなり起きた訳ではなく、その背景には様々な葛藤があります。
植民地だったアメリカ
1,500年以来、アメリカはスペイン・フランス・イギリスなど、ヨーロッパの植民地でした。
1,700年代に入るとイギリスが勝利をおさめ、イギリスの支配下になりました。
ですが、戦争はとてもお金がかかります。その資金集めとして、植民地のアメリカに対して、あらゆるもに課税するようになりました。
| 1764年 | 砂糖法 | 砂糖をはじめ、ワインや衣服にも課税 |
| 1764年 | 通貨法 | アメリカ独自の通貨を作ることを禁止 |
| 1765年 | 印紙法 | 国内での印刷物のあらゆるものにイギリスの印紙を貼らせて課税 |
| 1767年 | タウンゼンド諸法 | 紙・ガラス・鉛・ペンキ、そして紅茶など日用品に課税 |
タウンゼンド諸法に反発し、イギリス製品をボイコットする運動も勃発。
さらに暴動にも発展し、イギリス兵によってボストン市民が射殺されてしまいます。
これが「ボストン虐殺事件」です。
射殺されたのは5人でしたが、ボストン市民にとって大虐殺に見えたのでしょう。
各諸法は撤廃されましたが、お茶に対する課税だけは残ったままでした。
茶法が成立
当時のアメリカでは、紅茶はとても人気でした。自力で作ろうとした人さえいたそうです。
しかし、うまく作ることはできず、課税を逃れようとオランダから安価な紅茶を密輸。
イギリスの紅茶業者は大量の在庫を抱えてしまいました。
そこで、実質的な関税を撤廃する代わりに、イギリスの紅茶輸出業者「東インド会社」が販売独占権を与えました。
これが「茶法（Tea Act）」と呼ばれるものでした。
代表なくして課税なし
植民地であるアメリカは、不利益な法律が制定されても、意見をいうことができません。
茶法は「イギリスの貿易支配から大量の税金が課税される引き金になるのでは…」という不安にも繋がりました。
そして、「代表なくして課税なし！」と、イギリスに対する不満が爆発したのです。
ボストン茶会事件勃発
ボストン茶会事件を起こしたのは、自由の息子達（Sons of Liberty）と呼ばれた愛国急進派50人。
リーダーであるサミュエル・アダムスを中心に集会が行われました。
ボストン茶会事件当日、Sons of Libertyは身元を隠すために、アメリカの先住民「モホーク族（Mohawk）」に変装しました。
絶対にお互いの名前を言わない、証拠となるものは全て破棄するという取り決めもされていたそうです。
そして、停泊中の3隻の船に積まれた、342箱の茶箱を海に投げ捨てました。
この被害総額は、現在の価格で100万ドル以上。
翌年、イギリスが報復に出て、アメリカ独立戦争が始まりました。
体験型！ボストン茶会事件博物館
ボストンには、リアルにボストン茶会事件が体験できる博物館があります。
ボストン茶会事件前のタウンミーティングに参加
一人一人に、Sons of Libertyに参加した人物の役が与えられて、サミュエル・アダムス率いるタウンミーティングに参加します。
このようなカードが配られます。（一枚、紛失…、Samuel Pittsの弟がいたはず。）
実際に、どのような会話がされたのか、忠実に再現されています。
希望者には、セリフを言うシーンもあります。わが家が行ったときは、小学生の兄妹が立候補していました。
他の参加者は、役者の掛け声に合わせてリピートしたり、足踏みをしたりしました。
ビーバー号からお茶の投げ捨て体験
続いて、当時停泊していたビーバー号のレプリカ船から、お茶の投げ捨てを体験。
ここが一番楽しいアトラクション。
お茶の箱は投げ捨てたあとに、自分で引き上げて次の人にまわしてくださいね（笑）
シアターでボストン茶会事件について学ぶ
このあとは、ガイドさんの案内で３つのシアターを回り、ボストン茶会事件から独立戦争までについての歴史を学びます。
小３の次男くんには、ちょっと難しかったようで、少し居眠りしていました。
この肖像画に仕掛けがあるので、こうご期待。
アクセス＆料金
▼ ボストン茶会事件の船と博物館へのアクセス ▼
ボストンの中心部にあり、アクセスしやすい場所にあります。
【 料金 】
- 大人：35ドル前後（日時によって値段が異なります。）
- 子供：25ドル
ボストン茶会事件について学ぼう
ボストン茶会事件は、アメリカ史の分岐点ともなった出来事です。
もし機会があれば、博物館で当時の様子をリアルに体験しながら、楽しく学んでくださいね。
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