「海外赴任で持ち家はどうするべき?」
「海外在住者が売却するときの必要書類は?」
グローバル化が進むにつれ、海外転勤が決まり、持ち家を売却する方も増えているのではないでしょうか。
ただでさえ忙しい海外赴任準備。そこに、持ち家の売却まで考えるのは、本当に大変ですよね。
わが家も、夫がアメリカに転勤後、マイホームを売却することになりました。
今回のブログ記事は、実際の体験談として、海外在住者が不動産を売却する方法をまとめました。
海外駐在中に突然決まったマイホームの売却
夫の転勤で首都圏に引っ越した時から、マイホームを賃貸に出していたわが家。同じ入居者さんが5年近く借りてくれていました。
そろそろ更新時期も近づいた頃、現在の入居者さんが「家を買いたい」との申し出がありました。
一定の家賃収入があるマイホーム。もともとは、売却するつもりではありませんでした。自分でいうのも何ですが、色々考えて建てた良い家ですからね(笑)
っで、相場よりも500万円以上高い値段を提示してみました。そしたら「キャッシュで買います」と、予想外のご回答が。
夫は一足先に、アメリカに住んでいたので、印鑑証明もなければ、住民票もない。
しかも、不動産登記が入っている貸金庫の鍵をアメリカに持っていってしまったという大失態。
そのため、私たちが渡航する時期に合わせて一時帰国し、売却手続きをすることになりました。
海外在住者が日本の不動産を売却する【事前準備】
わが家みたいに、名義人が海外にいる状態で不動産の売却がいきなり決まるのは、レアケース。
夫は一時帰国をしましたが、登記や委任状など必要書類が揃っていれば、本人がいない状態での売却も可能です。この辺りは、不動産会社との相談になります。
ただ、可能であれば、渡航前に売却を完了させた方が、圧倒的に楽です。
①不動産売却に必要な書類を揃える
必要な書類は大まかに分けて2セット。不動産売却用と住宅ローン返済用です。
日本に住民票がない状態で、不動産を売却する場合、必要書類が少々複雑になります。用意した書類は以下の通りです。
【必要書類】
- 署名証明書付上申書
- 署名証明書付委任状
- 在留証明書
- 登記識別情報
- パスポート
- 認印
- 固定資産税納税通知書
◆ 署名(サイン)証明書とは?
署名証明書は、日本で言う「印鑑証明書」の代わりです。
日本で不動産を売却する場合に、印鑑証明書と実印が必要です。海外居住者は、印鑑登録ができないため、印鑑証明書の代わりに署名証明書を使います。
署名証明書は、二種類あります。
- 形式1(貼付型) … 署名をする必要のある書類に、申請人が署名したことを証明する形式です。持参した書類に、大使館の証明が貼付されます。
- 形式2(単独型) … 申請人の署名および拇印であることを、一枚の証明書として発行します。
売却に必要な署名証明書は、司法書士に作成してもらったため形式1。夫に持参しもらい、現地の大使館にて手続きしてきました。
署名証明書の手数料は、在ロサンゼルス領事館で15ドルでした。
◆ 在留証明書とは?
在留証明書は、海外居住者用の住民票のようなものです。
日本で不動産を売却する場合に、住民票が必要です。現在の住所を証明するために、在留証明書が必要になります。
在留証明書も、大使館にて発行してもらいます。在留証明書の手数料は、在ロサンゼルス領事館で11ドルでした。
②住宅ローン全額繰り上げ返済に必要な書類を揃える
わが家は、まだ住宅ローンが残っていたので、全額繰り上げ返済の手続きも必要でした。
借りていたイオン銀行の繰り上げ返済に必要だった書類は以下の通りです。
【必要書類】
- 署名証明書
- 抵当権関係書類受取書(イオン銀行より送付→当日持参)
- 完済依頼書(イオン銀行より送付→イオン銀行に返送)
- 届け印
通常、銀行の返済にも、印鑑証明書と実印が必要です。その代わりとして、署名証明書を持参しました。
特に、フォーマットは指定されなかったため、単独型のものを利用しました。
【完済手続きの流れ(イオン銀行)】
- コールセンターに問い合わせ(完済予定日・支店を連絡)
- 抵当権関係書類・完済依頼書が送付されてくる
- 完済依頼書をイオン銀行に返送
- 指定した日&支店にて完済手続き
夫はアメリカにいたので、段取りや連絡は全て私の担当。イオン銀行は、窓口がコールセンターしかなかったので、若干繋がりにくかったですが、手続き自体は比較的簡素化されていました。
海外在住者が日本の不動産を売却する【当日】
当日は、イオン銀行にて手続きを行いました。持家は、夫名義だったので、私は子供たちと留守番。夫に全てを託しました。
不動産売買は、事前に契約をし手付金などを支払ってもらいますが、わが家の場合は、買主が賃貸の住居者さんだったので省略。
不動産の売買契約、入金、住宅ローンの繰り上げ返済を一気に終わらせました。
夫から完了LINEが来たのが、11時半くらい。10時からスタートしていたので、わずか1時間半ほどで、あっさり終わりました。
不動産の売却って大ごとのイメージでしたが、意外とあっけなかったです。
マイホーム売却にかかった費用
マイホーム売却には様々な費用がかかります。
- 不動産仲介料 … 759,000円
- 全額繰り上げ返済手数料 … 55,000円(税込)
- 印紙税(売買契約書にかかる税金) … 10,000円
- 司法書士手数料 … 46,310円
不動産仲介料に関しては、25万円くらい値引いてもらいました。管理会社にとっても、両手仲介の棚ボタ案件だったので、ちょっと交渉してみました。
イオン銀行は、一部繰り上げ返済手数料は無料です。ですが、全額繰り上げ返済には、手数料がかかります。司法書士の手数料も、ちょっと特殊なケースだったからか、相場よりも高い感じがします。
資金と時間的な余裕があれば、もう少し節約できたかな、と思います。
例えば、数万円残して一部繰り上げ返済にすれば、手数料を浮かせることができます。抵当権抹消の手続きも、事前に自分でやっておけば、司法書士の手数料も必要ありません。
海外赴任が決まってからの売却は、時間との闘いになるので、なかなか難しいのが現状ですが 😥
持ち家の売却は信頼できる不動産業者を選ぼう
20代で家を建て、30代で家を売るという予想外の展開。もともと、夫は転勤がない部署だったはずなのに、なぜか転勤族並みの引っ越し回数。
実は、関東への転勤話が来たとき、想いを込めて建てたマイホームを手放す覚悟を決めました。
ですが、当時お願いした不動産会社が本当に適当すぎて、売却に失敗しました。
➡ 急な転勤でマイホームはどうする?持ち家を売却せずに賃貸に出した理由
まぁ、その失敗のおかげで、今回かなり良い条件で売却することができたんですけどね。
今回担当してくれた不動産会社は、迅速に対応してくれたため、かなりスムーズに手続きができました。
海外転勤で持ち家の売却を考えているのであれば、信頼できる不動産会社を選ぶことは本当に大事だと思います。
国内に在住していない場合、イレギュラーの手続きもあるので、実績豊富な会社を選んだ方が安心です。
「家の売却は不動産会社で8割決まる」とも言われています。ぜひ、ご自分に合った不動産会社を見極めてくださいね。
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