「海外赴任が決まった!駐在妻として着物は持っていく必要はあるのかな?」
海外でも人気が高い日本の着物。ですが、海外駐在中に着る機会はあるのか、着物の管理はできるのかなど、持っていくのを迷っている方も多いのではないでしょうか。
私も、あと1か月ちょっとで、アメリカに引っ越す予定です。海外赴任準備も佳境に入り、着物をどうしようか、リアルに考えるようになりました。
今回のブログ記事では、以下についてまとめました。
- 海外で着物を着る機会
- 駐在妻が着物選びで注意すべきポイント
- 海外駐在に持っていく着物の種類
着物を持っていこうか迷っている方の参考になれば幸いです。
海外で着物を着る機会ってあるの?
インターネットで調べてみると、「着物は必要なかった」という声もチラホラ見ます。実際に、海外でどの程度着物を着る機会があるのか、気になりますよね。
そこで、駐在妻大先輩である母(何気に帰国子女なんです、私。)をはじめ、世界各国に住む友人や知人に、直接話を聞いてみました。
① パーティーや食事会
海外では、パーティーや食事会に出席する機会が増えます。
私の父は、比較的大きい日系企業に勤めていたため、年1回大規模なクリスマスパーティーが開催されていました。夫婦同伴で、ドレスアップして出席するのが基本。
夜のパーティーであれば、イブニングドレスが必要になります。海外の方は、いくつになっても肌の露出をあまり気にしませんが、私はちょっと…。寸胴体形もカバーしたいので、着物が最適だったりします。
日本の華やかな着物を着ていれば、”I love your dress!”とか”You look so nice!”など、話かけてもらえるため、パーティーの会話に困ることもなくなります。
② 学校のカルチャーデー
アメリカの学校では、”Culture Day”というものがあります。“Culture Day”とは、自分のルーツや文化を紹介する日で、そのときにも着物が役立ちます。
中学のとき、アメリカの学校で着物の紹介をしたところ、先生も生徒も大喜びでした。母が着物を着て登場した記憶もあります。
学校行事などカジュアルな場であれば、浴衣や甚平でも十分です。子供がいると、汚れてしまう可能性もあるので、洗いやすさ重視で選ぶと良いと思います。
③ 地域の日系行事
海外でも日系の行事が行われる地域はとても多いです。
引越し先のサンディエゴでは、桜まつりや盆踊りが毎年開催されているようです。せっかくの機会なので、着物や浴衣を着て、文化交流を楽しみたいと思っています。
④ 補習校の入学式・卒業式
補習校とは、アメリカの現地校に通う子供が、日本語教育を受けるために土曜日に通う学校のことです。日本と同じように「入学式」や「卒業式」も行なわれるので、着物で出席される親御さんもいます。
アメリカは車社会なので、着物での移動も比較的楽です。気候がよい地域では、日本よりも着物が着やすい環境かもしれません。
駐在妻が着物選びで注意すべきポイント
海外で着物を着るときには、三つの大問題があります。
- 着付けが心配
- 着物のクリーニングができない
- 小物が手に入りにくい
さて、これらの問題をクリアするためには、どのような着物を選べばいいのでしょうか。
着付けがしやすい着物を選ぶ
最近では、You Tubeなどで着付けの方法を丁寧に説明する動画も増えています。
着付けの知識がない方でも、浴衣や木綿の着物+半幅帯(文庫結び)くらいであれば、普通に着ることができます。
ですが、フォーマルな場に着ていく柔らかい生地の着物+袋帯(二重太鼓)となると、着付けの難易度が上がります。
フォーマルなパーティーに行く機会が多いけど、帯締めが心配という場合は、「作り帯」を持っていくと安心です。
帯によっては柄出しが難しい場合もあるので、思い切って作り帯にしてしまうのもアリだと思います。
洗える着物を選ぶ
上等な正絹の着物の場合、自宅での洗濯が難しいです。海外では、着物の丸洗いをしてくれるクリーニング屋さんも、なかなか見つかりませんよね。
そのため、なるべく自宅で洗える着物を選ぶと良いです。
【 自宅で洗濯できる着物素材 】
- 木綿
- ウール
- 化繊(ポリエステル)
これらの素材であれば、手洗いや洗濯機(ドライコース)が可能で、汚れた場合も安心です。化繊(ポリエステル)の訪問着など、正絹と見間違うくらいな素材もあります。
どうしても正絹の着物が良い場合は、リサイク/アンティーク着物がオススメです。新品で購入したら、10万円以上かかる着物でも、わずか5,000円程度で買えちゃいます。
洗えない着物であれば、色は汚れが目立ちにくい濃いめの色の方が良いでしょう。清楚な水色や薄ピンクは、汚れたとき、悲惨ですよ。(自己流で染み抜きをしたら、さらに悪化させたという失敗談あり…。)
小物を忘れずに持っていく
海外では、着物関係のものは、とても手に入りにくいです。
私の知人は、着物一式を持っていったのに、足袋だけ忘れて、慌てて実家から送ってもらったと言っていました。
着付けに必要なものをリストアップすると、こんな感じです。
【 着物一式 】
- 着物
- 帯
- 帯締
- 帯揚
- 長襦袢
【 着物の小物 】
- 腰紐4~5本
- 伊達締め2本
- 帯板
- 帯枕
- 衿芯
- 半襟
- 肌着
- 足袋
- バッグ
- 草履
【 あると良いもの 】
- 着物用クリップ
- コーリンベルト(着付けベルト)
- 着物ハンガー
渡航前に一度着付けしてみて、不足しているものがないか確認しておくと失敗が減らせます。「和装小物セット」を利用すれば、漏れも少ないです。
着物に関する知識をつけておく
着物を着ていると、周囲の方々から、色々と質問されるかもしれません。
「これはシルクなの?」
「どうやって着るの?」
「日本では着物をいつ着るの?」
良きコミュニケーションツールになることは間違いなしですが、着物に関する知識が乏しいと、日本人として少し恥ずかしい思いをします。
例えば「外国人なんて何着ても分からない。」と思って、振袖を着ている30代の既婚女性。同じ駐在妻から、イタイ人扱いだったそうです。イブニングドレスを着るようなフォーマルなパーティーに浴衣はナシです。
着物の種類や格、帯の組み合わせについては、市販の本で勉強すると分かりやすいです。私も、着物に関する一冊本を読みましたが、今さらながら訪問着と小紋の違いが分かりました(笑)
アメリカ駐在に持っていく着物
海外に持っていく着物や帯は、主にリサイクル品です。実家にあまっているもの、メルカリやリサイクルショップなどで追加購入したものなど様々。
輸送中のトラブル、管理の甘さで痛めてしまう可能性もあるので、高価なものは一切持っていきません。
- 訪問着(紫・ポリエステル)
- 紋付小紋(サーモンピンク・正絹)
- ウール着物(幾何学柄)
- 浴衣2枚(ピンク&紺)
- 袋帯(フォーマル用)
- 名古屋帯(紺・セミフォーマル用)
- 名古屋帯(塩瀬えんじ・カジュアル用)
- 半幅帯
実家にあった小紋には「一つ紋」がついているので、フォーマルの場所に着て行ってもOK。薄紫の訪問着はポリエステルで自宅で洗濯できるので安心です。
カジュアルな行事用には、ウールの着物。メルカリで、新品未使用のモノを3,500円ほどで購入しました。ウールも自宅で洗えるので、気軽に着ていくことができます。
「着物一枚に帯三本」というように、着物のコーディネートは帯で決まると言っても過言ではありません。帯の種類は、カジュアルのシーンとフォーマルなシーンを考えて揃えました。
和服は魅力いっぱい!海外でも着物を着よう
子供が産まれてから、着物を着る機会はめっきり減ってしまいました。
海外駐在は、改めて日本の着物文化を見直す良い機会になります。せっかく多民族国家に行くのだから、自国の魅力を目一杯アピールしてこようと思います。
その前に、着付けの練習しとかなきゃ(笑)